音声付き!中国語の過去形パターンを徹底的に解説!
edit公開日:2023年01月17日
person 執筆者:張 婷婷
本日の記事では、中国語の過去形パターンについて解説します。
「今日の仕事は疲れましたか? 」という質問をされたら、 あなたは中国語でなんと答えますか?
「我今天工作很累(今日の仕事はとても疲れました)」という答えであれば問題ありません。
もしあなたの答えが「我今天工作不累了」や「我今天工作没累了」なら、本日の記事で過去形について勉強し直しましょう。
中国語では、日本語や英語のような複雑な形態変化で過去を表現することはありません。
このため本記事で解説する過去を表現するルールを知っていれば、中国語の過去形パターンを十分に理解できるでしょう。
1. 時制と時態(アスペクト)
最初に文法用語(時制, 事態)について説明します。
時制
物事が発生するの時間を示します。「過去、現在、未来」が時制です。
時態 (アスペクト)
物事の特定時間状態を示します。「完了態」、「持続態」、「進行態」などがあります。
1-1. 中国語には「過去形・現在形・未来形」という時制がない
英語では動詞の形を変えることで現在形・過去形・未来形を表現することができますが、中国語では全部漢字で意味を表すので、動詞の形が変化しません。中国語では「
」という時間詞で「過去・現在・未来」という時制を表します。時制 | 例文 |
---|---|
過去 | |
現在 | |
未来 |
2. 助詞「
」中国語で過去形といえば助詞「
しかし最初に書いた通り、助詞「 」を日本語の過去形「~した」のように使うと文法的に間違うので注意が必要です。
中国語の「
」は頻繁に使用されます。一般に時態助詞「 」と語気助詞「 」に分けられます。- 時態(アスペクト)助詞「 」は動詞の後ろに置かれ、動作の完了を示します。
- 語気助詞「 」は文末に置かれ、事態に変化が起こったことを表します。
2-1. 時態助詞としての「
」時態助詞「
「 」は過去の完了を示すだけでなく、現在または将来にも使用できます。
「
「 」を含む文章を日本語に変換した際、「~した」と訳すことは多々あります。
このため多くの中国語学習者が を用いることで過去を表そうとします。しかしこの理解は必ずしも正しくありません。
「 」はあくまでも動作の完了という事態(アスペクト)を示すのであって、中国語の過去形ではありません。
過去、現在、未来すべての時制で、「完了」という事態を表現する際にはことに注意が必要です。 を用る
過去の完了
私はもう食べた。
現在の完了
以下の例にある「吃」、この動作は完了中です。過去の動作ではありません。
彼は無理してこちらのおいしくない料理を全部食べてみてる。
未来の完了
以下の例には「明天」という時間名詞があるので、「到」この動作の完了時間は未来です。過去の動作ではありません。
明日のこの時、私はもう北京にいる。
あなたは北京に着くときに、私はもう北京から離れたかもしれない。
2-2. 語気助詞としての「
」語気助詞「
」は文末に置かれ、事態に変化が起こったことを表します。
私たちは結婚することと決めった。
私はもうすぐ30歳になる。
3. 文法上の過去形パターン
日本語では「~した」のように動詞の形態変化で過去を表現できます。
中国語では、日本語のような動詞の形態変化がありません。主に、過去の時間を表す単語(時間詞)で過去を表します。
例: 等
時間詞だけを使うなら、確かに過去の意味を表せるですが、文法的に正しくない場合があります。例えば:
私は昨日北京に行きました。
以上の例文は文法上は正しくないですが、
という時間詞があるため「 」の時制は過去であるということは伝わります。この文を文法的に正しく修正する場合には 、 、 、 などの表現を同時に使う必要があります。 一つづつの表現を見ていきましょう。3-1. 「
」は過去のことを回想する時に用います。日本語に訳す際は「…した,…していた」となります。文末に用いられます。
が表すのはかなり前ではなく、「先ほど」くらいの過去が多いです。
また助詞「 」や「 」とは一緒には使いません。
彼が先ほどここに行った。
何が言った?
昨日、先生はあなたのことを褒めた。あなたの会話はいいといった。
3-2. 「
」(
…の部分に含まれる「発生した動作の行為者」、「時間」、「場所」などを強調します。
(
は省略されることが多いです。
目的語がない場合、通常 を文末に置きますが、文中に置くこともできます。
目的語がある場合、文の述語動詞と目的語の間に置かれます。
彼は昨日北京に行きました。
私は飛行機で行きました。
彼がご飯を作りました。私は時間がないです。
私は東京で日本語を勉強しました。
3-3. 「
」この記事の2章で説明した通り、時態助詞「
ここでは「 」が過去を表すパターンを解説します。
「
」は一つの動作がある文にある場合「 」は動詞の後ろに置かれます。目的語があるなら、動詞と目的語の間に置かれます。
あのニュースを読んだ。
彼は餃子を二つだけ食べた。
彼女はもう行った。
「
」は二つ以上の連続動作がある文にある場合一つの文中に二つの動作が連続発生した場合、一つずつの動詞の後ろに
をつける必要があります。
彼女は授業の後に私に電話した。
彼女は授業の後に私に電話する。
映画を見てから帰りました。
映画を見てから帰る。
彼女が賛成したから、私も賛成しました。
彼女が賛成したら、私も賛成する。
3-4. 「
」助詞
には2種類あり、動作を済ませることを表す場合と過去の経験を表す場合があります。動作を済ませることを表す「
」
私はもう食べた。
明日彼に聞いてから君に電話するよ。
ご飯を食べてから行く。
過去の経験を表す「
」過去の経験を表す「
」は、直前の動作をしたことがあることを表します。文全体の時制には注意が必要です。
文の一部の時制が過去になる場合
以下の例では
は「 」が過去の動作ということを表しますが、文全体の時制までは過去になりません。
今後他人の古着を二度と使わない。。
文全体の時制が過去になる場合
以下の例文のように
が文全体の述語動詞の後ろにある場合は過去の時制を表します。
私は以前中国語を勉強したことがあるが、今もう忘れた。
この問題を相談したことがある。
私は中国に三年住んだことがある。
4. 否定文
4-1. 「没」+動詞
過去の否定文は、「
」+動詞の形で表します。 の前に をつけて「まだしていない」という表現も可能です。
彼女はもう行った。
彼女はまだ行ってない。
あのニュースを見た。
あのニュースをまだ見ってない。
4-2. 不 + 動詞 + 了
過去の否定形のよくある間違いとして、「不 + 動詞 + 了」が挙げられます。 この場合の「了」は2章で説明した語気助詞となってしまいますので、時制は過去にはならず、変化を表すことになります。
日本に行かないことになりました。
ご飯もう食べないです。遅刻するから。
5. まとめ
本記事では中国語の過去パターンを解説しました。
時間名詞だけでも過去の意味を表せますが、それだけでは文法的に正しくない場合があります。
本日紹介した4つのパターン「的」、「来着」、「了」あるいは「过」で過去の時制をマスターしましょう。